スズメ

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典型的なシナントロープ(人間の生活環境に依存する生物)。小鳥を分類する時の基準となるような鳥で、多くの図鑑で“一丁目一番地”の扱いを受ける。全長約14センチ。

街路樹、民家の隙間、電柱の腕金などをねぐらや巣として活用し、小さな実、草、幼虫などを餌にする。春は子育てのためにつがいと幼鳥の小さな群れを作り、秋以降は大きな集団で過ごす。冬場は羽をふくらませた丸い姿になり、「ふくら雀」として親しまれる。

左は幼鳥。クチバシが黄色く、羽も全体的に淡い。羽を横に広げ、「ピーッピーッ」と鳴いて親鳥に餌をねだる。

基本的な鳴き声(地鳴き)は「チュンチュン」。自分の居場所を示したり、仲間を探したり、餌のありかを示したりといろいろな用法で使われているようだ。「おはよう」「ここにいるよ」「みんなどこ?」「ごはんあるよ」などをひっくるめているので適訳はないが、よく鳴くところから言えば、案外、寂しがり屋なのかもしれない。

亜種のうち、日本を含む東アジアのスズメは「Passer montanus saturatus」に分類され、基亜種(Passer montanus montanus)に比べると茶色が強く、クチバシもやや大きいとされているが、植生と食性の違いによるものだろうか。ただ日本のスズメは愛らしさで国内外から注目を浴びている。

スズメに似るイエスズメ、ニュウナイスズメスズメ科の別種(スズメの亜種ではない)。ヨーロッパではスズメよりも1~2センチほど大きいイエスズメのほうが身近に存在し、スズメは郊外や里山に生息する。北米もイエスズメが優勢で、スズメはイリノイ州とミズーリ州のごく一部に生息する。

この鳥について

スズメ科/全長約14cm/留鳥

見られる場所と時期